リハビリテーション栄養コース

日本は高齢化率が世界で最も高い「高齢化先進国」です.高齢化に伴い,サルコペニアやフレイル,栄養障害といった栄養問題が顕在化し,生活の質を著しく脅かすことが分かってきました.「リハビリテーションと栄養を組み合わせた概念」は,健康寿命の延伸だけでなく,栄養問題に苦しむ高齢者への有効な対策として注目されています.
「リハビリテーション栄養コース」は,リハビリテーションと栄養に関する体系化された世界初の高度専門職業人育成コースです.老年学とリハビリテーションを基盤にして,サルコペニアやフレイル,栄養障害などの現代社会において極めて重要なテーマを質の高いon the job trainingとoff the job trainingで養います.
On the job trainingは,この領域で著名な業績を挙げている熊本リハビリテーション病院で研修を行います.多職種で栄養問題への関わりを学ぶと同時に,2020年に同院に設立された「サルコペニア・低栄養研究センター」のサポートのもと臨床研究を実践します.Off the job trainingでは,臨床栄養や骨格筋生理の基礎分野から,栄養サポートチーム(NST)での実践まで,リハビリテーションに必要なあらゆる知識を習得することができます.

コースの特色

  • 1. 現代医療に欠かせない知識をoff the job trainingで習得
  • 2. サルコペニア・低栄養診療における全国有数の実績を誇る医療機関でのon the job training
  • 3. 医療機関と大学が連携した高度な臨床研究の実践

指導教員からのメッセージ

この10年でリハビリテーションを取り巻く環境は大きく変わりました.リハビリテーションと栄養を同時に考えることが,健康寿命の延伸や様々な疾患で入院した高齢者の機能予後を改善することが分かってきました.これらの背景から,理学療法士・作業療法士の卒前教育に栄養学が必修化され,診療報酬にもリハビリテーションにおける栄養管理の重要性が反映されています.
本コースでは,世界が直面している高齢化社会において,真に必要とされる知識・臨床力・研究力の全てを養います.まさに,リハビリテーションと栄養に関する世界初の体系化された大学院コースです.是非,この新しい分野を共に築き上げましょう.

新潟医療福祉大学大学院 理学療法学分野 井上達朗

新卒コースと既卒コースについて

本コースでは,既卒コースと新卒コースの2つのパターンをご用意しています.新卒・既卒コースともに熊本リハビリテーション病院での実地研修は修士課程の一部の単位として認められます.また,同院サルコペニア・低栄養研究センターのサポートのもと,臨床研究を行い,修士論文を執筆します.
*本コースは理学療法士を募集対象としています.

  • 新卒コース
    国家資格取得直後の4月から熊本リハビリテーション病院の職員として2年間の実地研修を行います.理学療法士として必要な知識と技術を体系化された新人プログラムによって習得します.
  • 既卒コース
    他の医療機関に勤務している理学療法士が1年間熊本リハビリテーション病院に「出向」し,リハビリテーション栄養の実践を学びます.自身の施設に戻り,得た知識や実践力を還元します.

履修科目

リハビリテーション栄養コースでは,修士課程共通科目に加え,リハビリテーション栄養に特化した科目を履修します.修士課程共通科目,リハビリテーション栄養学特論などの科目は全てオンラインで受講可能ですので,安心して計画的に受講できます.

科目群・授業科目 履修年次 単位数
必修 選択
修士課程共通科目 1, 2 4
所属分野の演習科目,修士課程共通科目,他分野の特論科目 1, 2 4
分野専門科目 リハビリテーション栄養学特論 1 2
リハビリテーション栄養学演習 1 4
リハビリテーション栄養学実習
(熊本リハビリテーション病院での研究に該当)
1, 2 12
課題研究 2 4
履修単位合計 22 8

リハビリテーション栄養特論(全てオンラインで開催)

テーマ (2022年度)
1 リハビリテーションにおける栄養の重要性
2 栄養の基礎
3 侵襲時の栄養
4 骨格筋の基礎
5 骨格筋評価
6 栄養と運動代謝
7 リハビリテーション栄養
8 低栄養とその管理
9 サルコペニアとその管理
10 フレイルとその管理
11 低栄養・サルコペニア・フレイルと嚥下障害
12 低栄養・サルコペニア・フレイルと口腔機能
13 回復期リハビリテーション病棟での栄養障害・サルコペニア・フレイル
14 リハに必要な薬剤の知識

熊本リハビリテーション病院の先生方からのメッセージ

サルコペニア・低栄養研究センター センター長 吉村 芳弘 医師

高齢化や多疾患合併、サルコペニア、フレイル、認知症、ポリファーマシーなどを背景に、リハビリテーションに関わるすべての医療職にリハ栄養の概念を理解し実践することが求められています。どのセッティングにおいても身体機能や生活動作、活動や参加を最大化するためにリハ栄養がその一助となってくれます。当院ではリハ栄養の実践だけでなく、教育や研究にも力を入れています。やる気があればどなたでも歓迎します。

リハビリテーション科 主任 長野 文彦 理学療法士

セラピストはリハ栄養の中核的存在です。リハ効果を最大化するためには、リハからみた栄養、栄養からみたリハという視点が重要であり、リハ栄養は患者様の生活再建において重要なファクターといえます。当院では、栄養サポートチームやサルコペニア・低栄養研究センターを中心として、臨床と研究の両面で漸進的に取り組んでいます。一人でも多くの患者様の豊かな生活づくりに貢献できるよう、一緒に学んでいきましょう。

熊本リハビリテーション病院の紹介

当院は熊本市郊外の菊陽町に位置し、熊本都市圏の医療連携において中核的なリハビリテーション病院の役割を担っています。病室からは壮観な阿蘇外輪山を一望できる恵まれた自然環境です。もともと職員の臨床や教育、研究の意識が高いリハ病院でしたが、リハ栄養および関連領域における研究、教育、人材育成を目的として、2020年4月1日にサルコペニア・低栄養研究センターが開設されました。一般病院におけるこのような研究センターの開設は意欲的かつ挑戦的な取り組みです。地域と密接に連携した高機能リハビリテーション病院という当院の特色を生かしながら、リハ栄養をベースとした最新の医療やケアの標準化や均てん化をめざして多様な臨床研究に挑戦しています。意欲やモチベーションが高い多職種で共同研究を行っていることは当センターの大きな強みだと考えています。

リハビリテーション栄養コース 1期生 前川 健一郎さんからのメッセージ
(理学療法士16年目,神戸リハビリテーション病院[兵庫県神戸市]からの出向)

リハ栄養コースの一番のメリットは、熊本リハビリテーション病院で勤務しながら吉村芳弘先生を中心とした素晴らしい先生の下で学べることです。内容の一部として、毎週行われるNST回診や摂食・嚥下カンファレンス、オープン参加型栄養勉強会の参加とともに、英文抄読会からデータベースの構築、PECO会議等々を通じて研究を進めていくためのサポートを手厚く受けることができます。
大学院の学びと国内留学の学びを一度に経験できるのは本当に贅沢なことであると感じています。

  • 吉村医師との英文抄読会の様子

  • NSTカンファレンスの様子

リハビリテーション栄養コースの紹介を動画でご覧頂けます.(2023年春のオープン・キャンパス:該当箇所 34分50秒頃〜)

https://www.youtube.com/watch?v=rjmHDKIsNyE&list=PLxkVzxIgmnsjt
FWJKloWOlT_QEReIWjoy&index=

お問い合わせ

リハビリテーション栄養コースに関するご相談は,下記のフォームよりお気軽にお問い合わせください.(担当:理学療法学分野 井上達朗)

https://forms.gle/7vGZ7Gi5oaYWpqqR6