【業績】荷重位および非荷重位での足関節背屈制限の要因を明らかにしました!

荷重位および非荷重位での足関節背屈制限の要因を明らかにしました!

本研究は,本学の共同研究助成金(2024年度共同研究・共同利用研究費)を受け理学療法学科教員の江玉睦明教授と高林知也講師,越野裕太助教(北海道大学),工藤慎太郎教授(森ノ宮医療大学),小林匠教授(群馬大学)で実施した共同研究になります.上記の研究者は「足の構造と機能研究会」に所属するメンバーであり,本研究会での研究成果となります.

 

研究内容の概要:
足関節背屈が制限されてしまう(足首が固い)と様々な怪我が起こるリスクが高まります.足の構造と機能研究会では,本学の共同研究助成金(2022年度・2023年度共同研究・共同利用研究を受け,足関節背屈制限の有無を判別するためには荷重位での測定が有用であることを明らかにしました(Koshino, Takabayashi, Akuzawa, Mizota, Numasawa, Kobayashi, Kudo, Hikita, Akiyoshi, Edama, 2024).しかし,非荷重位および荷重位での背屈制限因子の特定には至っていませんでした.本研究では足部形態,足部アライメント,筋硬度,足関節不安定性,母趾可動域を測定し,背屈制限の因子を検証しました.結果として,両条件において母趾伸展可動域および筋硬度は共通した因子となり,荷重条件では足部アライメントおよびヒラメ筋の筋硬度が特異的に関連することを明らかにしました.

A:足部形態測定,B:筋硬度測定,C:足関節不安定性測定,D:母趾伸展可動域測定

 

超音波エラストグラフィー

 

研究者からのコメント

 

左:江玉教授(理学療法学科,スポーツ医科学Lab,アスリートサポート研究センター) 右:高林知也講師(理学療法学科,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所)

足関節背屈可動域の測定は,理学療法において一般的に行われている検査のひとつです.我々が所属する「足の構造と機能研究会」にて,本学共同研究・共同利用研究費による助成を受け,多施設共同研究として荷重位と非荷重位での背屈可動域測定の臨床データを蓄積し,荷重位での測定が背屈可動域制限の有無を明確に判別できることを明らかにしてきました.本研究ではさらにその因子を特定し,荷重条件では足部アライメントおよびヒラメ筋の筋硬度が関連することを突き止めました.本成果は,背屈可動域を改善するための具体的な介入方法を提供できる有益な知見となります.

足の構造と機能研究会は江玉睦明教授が会長,高林知也講師が理事を務めており,2023年度は本学にて第4回学術大会を開催しました.2026年度は5月16-17日に森ノ宮医療大学にて第7回学術集会を開催します.是非ホームページをご確認ください!

足の構造と機能研究会ホームページ

 

本研究のポイント:

・荷重位および非荷重位条件の背屈可動域では母趾伸展可動域および筋硬度が共通した因子となったこと

・荷重位での背屈可動域では足部アライメントおよびヒラメ筋の筋硬度が特異的に関連したこと

 
  
原著論文情報
  

Koshino Y, Takabayashi T, Kobayashi T, Kudo S, Edama M. Ankle dorsiflexion range of motion is associated with compression stiffness of gastrocnemius and soleus muscles, foot structures, and hallux extension range of motion, Foot and Ankle Surgery. 2025 (in press)