田邊かこさん(博士後期課程2年,運動機能医科学研究所)と小島翔講師(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌に掲載されました!

田邊かこさん(博士後期課程2年,運動機能医科学研究所)と小島翔講師(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌「Brain and Behavior」に掲載されました!

 

【研究概要】

能動的触覚刺激(Active Touch)は,指先の自発的な運動に伴って触覚刺激が皮膚に与えられる方法です.このActive Touchは,私たちが物体の質感(つるつる,ざらざらなど)を認識する際に非常に重要な手法です.本研究は,滑らかな質感と粗い質感を用いたActive Touch介入が皮質脊髄路興奮性に及ぼす影響を検証しました.その結果,粗い質感はActive Touch介入15分後に皮質脊髄路の興奮性を増大させることを明らかにしました.この結果は,国際誌『Brain and Behavior』に掲載されます.

【研究者からのコメント】

私たちが行う運動と,その運動によって得られる感覚は相互に強く関係し合っています.本研究により,粗い質感を用いたActive Touchを行うと,皮質脊髄路の興奮性が増大することを明らかにしました.本研究が,今後の体性感覚に関連する研究の発展の一助となれば幸いです.

【本研究成果のポイント】

右示指に対して,粗い質感(Hessian condition)を用いたActive Touch介入を行うと,介入前(Pre)と比較して,介入15分後(Post 15)で有意に皮質脊髄路の興奮性が増大することが明らかになりました.一方,滑らかな質感(Silk condition)を用いたActive Touch介入では,介入前後で皮質脊髄路の興奮性は変化しませんでした.

 
  
原著論文情報
  

Kako Tanabe, Sho Kojima, Kei Saito, Hideaki Onishi. Active Touch Intervention using a Rough Texture Enhances Corticospinal Excitability. Brain and Behavior.