飯室幸士さん(博士後期課程2年,運動機能医科学研究所)と大鶴直史教授(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌に掲載されました!

飯室幸士さん(博士後期課程2年,運動機能医科学研究所)と大鶴直史教授(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌「Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation」に掲載されました!

要旨

時間的干渉刺激(TIS)は、周波数がわずかに異なる2種類の高周波電流を干渉させることで、脳の深部領域に対して手術などを伴わず非侵襲的に刺激を可能とする新しい脳刺激手法です。しかし、このTISの干渉周波数に応じてヒトの脳活動を変調させるのかについては、明確な証拠がありませんでした。そこで本研究では、その足掛かりとして表層に位置する一次体性感覚野(S1)を対象に、干渉周波数を10Hz(α帯域)に設定したTISを健常成人49名に実施し、脳磁場計測装置と脳内電界シミュレーションを用いて効果とその要因を検証しました。その結果、TIS群でのみ刺激後にS1のα帯域の皮質律動が有意に増加し、またターゲット外の領域(オフターゲット領域)への電界の広がりが大きいほど刺激効果が弱まることが明らかになりました。この成果は、TISがヒトの脳活動を干渉周波数に応じて変化させうることを示す予備的な証拠であり、国際誌「Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation」に掲載されました。

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研究者からのコメント

時間的干渉刺激(TIS)は、脳の深部領域を手術なしに刺激できる新技術として期待されている一方で、干渉周波数に応じてヒトの脳活動を変調させるのかについては、明確な証拠がありませんでした。この成果は、TISがヒトの脳活動を干渉周波数に応じて変調させうることを示す予備的な証拠です。今後は、脳の深部領域でも同様の効果が得られるかを検証していきたいと考えています。

 

本研究成果のポイント

・ TIS群において、刺激後に一次体性感覚野のα帯域(10Hz付近)の皮質振動が有意に増加しました。一方、偽刺激群では有意な変化は認められませんでした。

・ 個人のMRIに基づく脳内電界シミュレーションの結果、ターゲット部位(S1)の電界強度と脳律動の変化量との相関の強さは、ターゲット外の領域(オフターゲット領域)における電場強度が大きい参加者ほど弱くなるという、関係が認められました。