【卒業生の活躍】沼田莉奈さん(理学療法学科21期生、藤井脳神経外科病院)と北谷亮輔講師(理学療法学科、神経生理Lab、運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌『Journal of Electromyography and Kinesiology』に採択されました!
【研究内容の概要】
脳卒中患者において歩行速度の低下は生活空間の狭小化や生活の質の低下につながるため、歩行能力の向上はリハビリテーションにおける重要な目標とされています。脳卒中患者の歩行速度の低下には、歩行中に麻痺側で形成される前方への推進力の低下が大きく影響するとされています。身体重心付近を後方に牽引しながら歩く練習は歩行中の前方推進力を向上させ、歩行速度の改善に繋がる歩行練習として報告されていますが、この練習が有効とされる背景にある神経メカニズムは明らかにされていませんでした。
【研究者からのコメント】
臨床現場において実践されている歩行練習の中にはその背景にある神経メカニズムが解明されていない練習が数多くあります。本研究成果は歩行速度の改善に向けた歩行練習の背景にある神経メカニズムを明らかにし、個別の病態に合わせた練習方法を提供していくための貴重な知見になります。
【研究成果のポイント】
後方からの牽引歩行中は腓腹筋の筋活動が有意に増加し、脊髄や脳幹などの皮質下からの神経入力の成分であるとされるアルファ帯域の腓腹筋間コヒーレンスは有意に増加した一方、大脳皮質からの神経入力の程度を反映するベータ帯域の腓腹筋間コヒーレンスの増加は軽度であった(前方からの牽引と比較してのみ増加した)。
原著論文情報
Kitatani R, Numata R, Sorimachi R, Otsuru N, Shibata S, Onishi H. Frequency-specific modulations of oscillatory neural drives to lower leg muscles during gait with aiding and impeding horizontal forces. Journal of Electromyography and Kinesiology. 86:103098, 2026. doi: 10.1016/j.jelekin.2025.103098.


