★ 阿久澤先生のご紹介(2022.04.26)

2022年4月より理学療法学科に着任しました阿久澤弘と申します.理学療法士になってから,整形外科やスポーツ整形外科にかかる患者様の理学療法を担当し,現在理学療法学科のスポーツ医科学Labに所属しております.
そんな中で,同じ練習をしていても,よく怪我をする選手と全くしない選手がいることを不思議に思っていました.その原因として身体が硬い,筋力が弱い,フォームが悪いなど,様々なものが考えられると思います.その中でも.唯一地面と接する足部の機能に着目して,どのような足部の動きをしている選手がスポーツ障害を起こしやすいのかを研究しています.また,足部の動きをコントロールしている筋肉の機能を検証することで,どのような筋肉をどのような方法でトレーニングすれば,足部の動きを改善することができるのかを解明しようとしています.
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研究紹介:
シンスプリントはランニング動作などによって脛の内側が痛み,スポーツが困難になる障害です.このシンスプリントの既往がある選手,ない選手に30cmの台から片脚で飛び降りて,すぐに真上に飛び上がる動作をしてもらい,その際の足部の動きを比較しました.
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その結果,シンスプリントの既往のある選手は,後足部(踵部分)が動く割合が,中足部(足部の中間)に比べて大きいことが明らかになりました.この動きが原因とは断定できませんが,問題となる可能性があることが示唆されました.

このような後足部の動きをコントロールし,足部のアーチを支えている筋に後脛骨筋(TP)や長趾屈筋(FDL),長腓骨筋(PL)という筋があります.では,どのようなトレーニング時にこれらの筋が大きく働くのかということを調べました.
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その結果,後脛骨筋と長趾屈筋は足を内側に向けた状態でのヒールレイズ,長腓骨筋は足を外側に向けた状態でのヒールレイズで大きく働くことが分かりました.このことから,体重をかけた状態でそれらの筋肉を鍛える場合の効率的な方法が示されました.

原著論文情報:
Akuzawa H, Oshikawa T, Nakamura K, Kubota R, Takaki N, Matsunaga N, Kaneoka K. Difference in the foot intersegmental coordination pattern between female lacrosse players with and without a history of medial tibial stress syndrome; a cross-sectional study, J Foot Ankle Res, 15(8), 2022.
Akuzawa H, Imai A, Iizuka S, Matsunaga N, Kaneoka K. The influence of foot position on lower leg muscle activity during a heel raise exercise measured with fine-wire and surface EMG」, Phys Ther Sport. 28: 23-28, 2017.