理学療法学科スポーツ医科学ラボでは、足部の障害発生メカニズムの解明と、臨床で活用できる評価法の確立を目指して研究を進めています。今回、22期生の田川裕紀さんと岩崎海斗さんが卒業研究として、第1足根中足関節の動きと関節面・靱帯の形態、外反母趾角との関係を検証しました。
第1足根中足関節は、足部の内側アーチを構成する関節の一つであり、その過剰な動きは外反母趾との関連が指摘されています。一方、関節面の形状や底側第1足根中足靱帯の大きさが、実際の関節の動きにどの程度関係するかは十分に明らかになっていませんでした。
本研究では、Thiel法で固定した9体18足を対象とし、超音波画像装置を用いて、第1中足骨が内側楔状骨に対して背側・底側・内側へどの程度変位するかを測定しました。さらに、関節面の形態、底側第1足根中足靱帯の長さ・幅・厚さ、外反母趾角との関係を、同一遺体の左右足を考慮した統計解析によって検討しました。
その結果、関節面の形態、靱帯の大きさ、外反母趾角のいずれも、3方向の関節変位との間に統計学的に有意な関連を認めませんでした。この結果は、関節の動きを形態的特徴だけで説明することが難しく、今後は靱帯の硬さや線維配向、筋機能などを含めて検討する必要があることを示しています。
田川さんは現在、医療法人社団慶晃会の永井整形外科に勤務し、岩崎さんは新横浜リハビリテーション病院に勤務しています。両名は、スポーツ医科学ラボで培った研究経験を生かし、それぞれの臨床現場で活躍しています。
本研究論文は、2026年9月18日に国際誌「Journal of Foot and Ankle Research」にアクセプトされました。


