石井瞳さん(急性期理学療法コース/修士課程2年/運動生理Lab/運動機能医科学研究所/神戸市立医療センター中央市民病院)と,川尻陽菜さん(修士課程2年/運動生理Lab/運動機能医科学研究所)が,第32回医用近赤外線分光法研究会・第30回酸素ダイナミクス研究会 第7回合同研究会にて論文発表賞を受賞しました!

2026年9月18-19日に,第32回医用近赤外線分光法研究会・第30回酸素ダイナミクス研究会 第7回合同研究会が開催され,修士課程2年の石井瞳さんと川尻陽菜さん(第32回医用近赤外線分光法研究会 論文発表賞)が受賞しました!

研究会には,保健学分野にて基礎研究,臨床研究を行う研究者,工学分野にて研究を行う研究者が集まり,本学科からも教員,院生,学部生が発表・参加しました.

第30回酸素ダイナミクス研究会 論文発表賞

発表者:石井瞳(急性期理学療法コース/修士課程2年/運動生理Lab/運動機能医科学研究所/神戸市立医療センター中央市民病院)

演題名:脳酸素飽和度を指標とした離床中止基準の設定により安全なリハビリテーションが可能となった起立性低血圧の1例

【症例報告の概要】
起立性低血圧は,座位や立位への姿勢変化に伴って血圧が低下し,めまいや意識障害,失神などを引き起こすことがあります.リハビリテーションでは姿勢変化を伴う場面が多いため,安全な離床のためのリスク管理が重要です.近赤外分光法(NIRS)は,脳酸素化動態を非侵襲的かつ連続的に評価できる方法です.本症例では,起立性低血圧により離床時に失神を認めた患者に対し,NIRSを用いて局所脳酸素飽和度(rSO2)を測定しました.その結果,仰臥位から端座位への姿勢変化に伴ってrSO2が低下し,その後に失神を認めました.そこで,rSO2を指標とした離床中止基準を設定したところ,意識障害や失神を生じることなくリハビリテーションを継続することができました.本症例から,NIRSによる脳酸素化動態の評価が,起立性低血圧患者に対する安全な離床のためのリスク管理に活用できる可能性が示されました.

【研究者コメント】

このたび,本症例報告を論文発表賞として評価していただき,大変うれしく思います.日頃より臨床や研究についてご指導いただいている先生方をはじめ,本症例に関わってくださった皆様に深く感謝申し上げます.

本症例では,NIRSを用いて脳酸素化動態を連続的に評価することで,起立性低血圧による失神に先行するrSO2の低下を捉え,離床時のリスク管理に活用しました.今後も患者様一人ひとりの生理学的反応に着目し,安全かつ効果的な急性期リハビリテーションにつながる研究を進め,臨床現場に還元してまいります.

 【石井さんの学会発表の様子】

 【共同演者:左から岩田健太郎,高橋朋弥,石井瞳,椿淳裕(敬称略)】

 

第32回医用近赤外線分光法研究会 論文発表賞

発表者:川尻陽菜(修士課程2年/運動生理Lab/運動機能医科学研究所)

演題名:ベルト電極型骨格筋電気刺激の筋刺激様式の差異が骨格筋微小血管反応性に与える即時効果

【研究概要】

急性期医療現場などにおける,体動が困難な患者さんへの治療法として,ベルト電極式骨格筋電気刺激(B-SES)を提案しました.B-SESによる下肢筋群への単収縮刺激が,微小血管反応性を増加させることは明らかになっていますが,強縮刺激が微小血管反応性に与える即時効果は明らかになっていません.そこで本研究は,B-SESの筋刺激様式の違いが微小血管反応性に与える即時効果を検証することを目的としました.本研究結果から、B-SESによる単収縮刺激が,強縮刺激と比較して微小血管反応性を増加させることが明らかとなりました.
【研究者コメント】
このたびは,論文発表賞を頂戴し,誠に光栄に思います.多くの先生からのご指導,また研究室の皆様の研究協力をいただき,受賞することができました.

引き続き研究活動を続け,循環器分野での物理療法の利用を広められるよう,精進して参ります.

 【共同演者:左から曽我智里,川尻陽菜,井坂颯汰,大倉康太郎(敬称略)】

 

★その他の発表演題は以下の通りです.

発表者:小島将(理学療法学科教員/運動生理Lab/運動機能医科学研究所)

演題名:透析医療における近赤外分光法を用いた脳灌流モニタリングの可能性

発表者:高橋朋弥(急性期理学療法コース修了生/博士後期課程3年/運動生理Lab/運動機能医科学研究所/神戸市立医療センター中央市民病院)

演題名:急性期リハビリテーションと機能的近赤外分光法-ウェアラブル脳酸素モニタの応用-

発表者:吉野琢朗(修士課程2年/運動生理Lab/運動機能医科学研究所)

演題名:常圧低酸素曝露が骨格筋微小血管反応性に及ぼす急性効果と低酸素暴露にともなう動脈血酸素飽和度低下の個人差との関連

発表者:三浦れいな(理学療法学科4年/運動生理Lab)

演題名:異なる低酸素濃度が動的脳自動調節能に与える影響~急性血圧低下負荷による影響~

発表者:水島剣三(理学療法学科4年/運動生理Lab)※代理発表:小島将

演題名:異なる吸入酸素濃度における急性血圧低下に対する 前頭前野と補足運動野の脳酸素化応答の比較