2025年12月6日(土)から7日(日)の2日間、東京・一橋講堂において、第4回日本老年療法学会学術集会が開催されました。
本学からは、理学療法学科の井上 達朗准教授がエキスパートセミナーに登壇し、「『低栄養』に対する老年療法の『しんか』」と題して、最新の知見と臨床実践を踏まえた講演を行いました。低栄養の変遷と自身の研究成果をもとに、老年療法全体の中でどのように低栄養を考えていくかという視点が示されました。
また、大学院博士課程1年の甘粕 康太さんは口述演題で、学部4年の吉岡 亮伍さんはポスター演題でそれぞれ研究成果を発表しました。いずれの発表も、老年期リハビリテーション・栄養・機能評価に関する実践的かつ学術的意義の高い内容であり、活発な質疑応答が行われました。
本学では今後も、老年療法分野における教育・研究・臨床の発展に寄与すべく、学術活動を積極的に推進してまいります。
博士課程1年 甘粕 康太 さん(口述発表)
演題名
急性期軽症脳卒中患者において細胞外水分比の増加を考慮した位相角の低下は退院時の機能低下を予測する
著者
甘粕 康太,井上 達朗,小林 壮太,齋藤 新貴,鎌田 夏未,ブラウン 章子,笠井 紅里,古澤 芽依,丸山 麻樹,渡部 裕美子
コメント
東京で開催された第4回日本老年療法学会学術集会に参加し、口述発表を行いました。本研究では、急性期軽症脳卒中患者において高い細胞外水分比(ECW/TBW)と低い位相角(PhA)が併存する状態が、退院時アウトカムに影響を及ぼすことを報告しました。さらに、骨格筋指数(ASMI)は本集団において退院時アウトカムを予測する因子ではなかったことも示しました。
軽症脳卒中であってもサルコペニアを有する場合に予後が不良となることは報告されていますが、サルコペニア診断に用いられるASMI自体は予後予測因子ではありませんでした。一方で、高ECW/TBWと低PhAの併存は、ASMIの予後予測性能における中核的要素である可能性が示唆されました。これらの結果から、ECW/TBWやPhAといった体組成指標を併せて評価・測定することの臨床的有用性が示されました。
学会では全国の研究者の先生方と情報交換を行うことができ、今後の臨床・研究のヒントを得るとともに、臨床現場で働きながら研究を継続し発信されている多くの先生方から大きな刺激を受けました。
日頃よりご指導頂いている井上先生、ならびに運動生理ラボの小林先生に、改めて深く感謝申し上げます。
学部4年 吉岡 亮伍 さん(ポスター発表)
演題名
異なるBIA機器で算出された徐脂肪量は固定誤差を生じる
著者
吉岡 亮伍,井上 達朗,小林 壮太,河井琉飛,髙橋南子,大橋美心,笠井 紅里,古澤 芽依,西野光貴,椿淳裕
コメント
この度、東京で開催された第4回日本老年療法学会学術集会に参加し、初めてポスター発表を行いました。本研究では、異なるBIA機器で算出された除脂肪量に固定誤差が生じる可能性を報告しました。
学会発表を通じて、同分野に関心を持つ先生方の前で研究を発表する楽しさを実感するとともに、多角的なご質問やご意見を頂くことで、自身では気づかなかった新たな視点を得ることができました。研究の課題や今後の方向性について整理する貴重な機会となり、議論を重ねることで理解が一層深まったと感じています。
本学会参加にあたり、指導教員の井上 達朗**先生をはじめ、小林先生、大学院生の皆様から多くのご指導を頂きましたことに、心より感謝申し上げます。


