第12回日本サルコペニア・フレイル学会大会 参加報告

2025年11月1日(土)、11月2日(日)の2日間、熊本県で第12回日本サルコペニア・フレイル学会大会が開催されました。

 
大学院博士課程1年の甘粕康太さん、修士課程2年の五十嵐貫太さん、修士課程1年の葛西祐之介さんが演題発表を行い、五十嵐貫太さんが大会長賞を受賞しました!!


また、井上達朗准教授はシンポジウム「サルコペニア・フレイルの原因の臨床推論」および「サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのガイドライン」で演者を務めました。
本学会では井上准教授および大学院生が実行委員を務め、広報や当日運営として関わらせて頂きました。

 
甘粕康太さん(博士課程1年)のコメント
<Title>体液量が減少した急性期高齢脳卒中患者の細胞外水分比の上昇とSMI低下の併存は退院時の機能的指標を低下させる 
<Author>甘粕康太,井上達朗,小林壮太,齋藤新貴,鎌田夏未,ブラウン章子,笠井紅里,古澤芽依,丸山麻樹,佐藤卓也,渡部裕美子

11月1日,2日に熊本で開催された第12回日本サルコペニア・フレイル学会大会に参加し,ポスター発表を行って参りました.急性期脳卒中患者の多くは体水分量が低下しており,中でも骨格筋量と関連する細胞内水分量が低下していることが明らかとなりました.細胞内水分量の低下に伴い細胞外水分比は増加します.この場合における細胞外水分比と骨格筋量を示すSMIは負の相関関係を認めました.また,細胞外水分比の増加とSMIの低下が併存している状態は退院時の機能的指標を低下させるリスク因子である事が明らかとなりました.更に本研究の興味深い点がSMIの低下単独は退院時の機能的指標を低下させるリスク因子ではありませんでした.この事から,臨床でSMIを解釈する際には細胞外水分比および体水分量を考慮する必要がある可能性が示唆されました.
今回の学会参加において全国の研究者の先生と情報交換を行う事ができ,新たな研究のヒントを頂く機会にもなりました.サルコペニア診療の更なる発展に微力ながらも寄与出来るよう,引き続き精進して参ります.
このような大変貴重な機会をサポートして頂いている,指導教員の井上先生,運動生理ラボ小林先生に改めて感謝申し上げます.ありがとうございました.

五十嵐貫太さんのコメント
<Title>救急科入院患者におけるオトガイ舌骨筋の低横断面積は入院中の嚥下機能低下のリスク因子である
<Author>五十嵐貫太,井上達朗,小澤哲也,新山祐貴,佐藤隆一,霜田直史

このたび、第12回日本サルコペニア・フレイル学会大会に参加し、優秀賞候補演題として発表させていただきました。演題テーマは「救急科入院患者におけるオトガイ舌骨筋の低横断面積は入院中の嚥下機能低下のリスク因子である」であり、大会長賞を受賞いたしました。発表を通じて多くの先生方から貴重なご意見を頂戴し、大変有意義な経験となりました。
頂戴したご助言を大切に、研究をさらに発展させていくとともに、今後も大学院での経験を糧に、臨床の現場に生かしていきたいと思います。

葛西祐之介さんのコメント
<Title>救急科に入院した高齢入院患者のオトガイ舌骨筋の横断面積低値は非自宅退院のリスク要因である
<Author>葛西祐之介,井上達朗,五十嵐貫太,新山祐貴,小澤哲也,佐藤隆一,霜田直史

この度、第12回日本サルコペニア・フレイル学会学術集会において、ポスター部門として発表させていただきました。
大学院に進学してから、臨床と研究の両立に難しさを感じる場面も多くありましたが、その過程で得た学びや経験を整理し、多くの先生方の前でお話しできたことは大変貴重な機会となりました。
発表を通して、改めて臨床と研究をつなぐ視点の大切さを実感するとともに、今後の研究活動への大きな励みとなりました。
今後も大学院での経験を糧に、臨床現場の課題に真摯に向き合いながら、研究活動を通じて社会に貢献できるよう努力したいと思います。