平賀大河さん(博士後期1年,医療福祉学専攻,運動機能医科学研究所)と齊藤慧講師(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌に採択されました!

平賀大河さん(博士後期1年,医療福祉学専攻,運動機能医科学研究所)と齊藤慧講師(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌「Experimental Brain Research」に採択されました!

【研究の概要】

後頭頂葉皮質(PPC)は、触覚による空間識別において重要な役割を果たすことが知られています。本研究では、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)によってPPCの興奮性を非侵襲的に変調させることで、触覚機能に及ぼす影響を検討しました。その結果、左右PPCへのtDCSと右PPCへの陽極tDCSは、Sham刺激と比較して有意な触覚機能の変化をもたらすことが明らかとなりました。さらに、刺激前の触覚機能が低い被験者ほど、tDCSによる触覚機能の改善効果が大きいという負の相関関係も確認されました。

 

【研究者からのコメント】

本研究により、PPCへのtDCSが触覚機能を改善させる可能性が示されました。脳血管障害の罹患者の多くで触覚機能障害が認められることから、本成果が触覚リハビリテーションの発展に寄与することを期待しています。

 

【本研究のポイント】

①左右のPPCおよび右PPCへのtDCSは、Sham刺激と比較して、触覚機能に有意な変化をもたらすことを明らかにしたこと.

 

②刺激前の触覚機能が低い被験者ほど、tDCSによる触覚機能の改善効果が大きいことを明らかにしたこと。

 
  
原著論文情報
  

Hiraga, T., Saito, K., Kojima, S., & Onishi, H. (2025). Effects of transcranial direct current stimulation over the posterior parietal cortex on tactile spatial discrimination. Exp Brain Res, 243(5), 125. https://doi.org/10.1007/s00221-025-07081-0