【大学院生の活躍】大学院生の甘粕康太さん(大学院修士課程2年,運動生理Lab,信楽園病院)と井上達朗准教授(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所))らの研究論文が国際誌に掲載されました!(2024.04.03)

研究内容の概要:
世界的な高齢化に伴い,脳卒中患者も高齢化しています.急性期高齢脳卒中患者においてサルコペニアは29.5%の患者に認め,退院時のADLを低下させる事が報告されています.近年,細胞の健康状態の指標であるPhase Angle(PhA)の有用性に対する科学的関心が高まっています.PhAは生体電気インピーダンス分析を用いて非侵襲的かつ簡便に測定する事が出来る数値であり,サルコペニアとの関連が報告されています.加えて,急性期脳卒中患者においてPhAの低下が退院時のADLを低下させた事も報告されています.このことから,活動制限を有する急性期脳卒中患者において,PhAを測定する事は不良な臨床転帰を予測する可能性がありました.本研究では,急性期脳卒中患者においてPhAの低下が退院時のmodified Rankin Scale(mRS)と転帰先に与える影響を検証しました.急性期脳卒中患者におけるPhAの低下は急性期病院退院時mRSの低下と,自宅退院の可能性を低下させるリスク因子である事が明らかになりました.
本研究成果は国際誌「Clinical Nutrition ESPEN」に掲載されました.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405457724000834?dgcid=author

甘粕さんからのコメント:
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 脳卒中患者において早期から機能予後・転帰先を予測する事は重要です.本研究結果から急性期脳卒中患者におけるPhAの低下は,急性期病院退院時mRSの低下と自宅退院の可能性を低下させるリスク因子である事が明らかになりました.更に,PhAは急性期脳卒中患者において意識障害,認知機能低下,運動麻痺といった活動制限を有する患者においても測定可能である事から,急性期脳卒中患者における予後予測指標として有用である可能性を示す事が出来ました.高齢化が進む脳卒中患者に対して老年学的な視点を持つことの重要性を改めて再確認出来る研究だったと思います.引き続き,高齢脳卒中患者のリハビリテーションに貢献し得る研究を進めて参りたいと思います.

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