★ 酒井彩希さん(理学療法学科16期生,丸川病院所属)と齊藤慧講師(理学療法学科、神経生理Lab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!!(2021.10.04)

酒井彩希さん(理学療法学科16期生,丸川病院所属)と齊藤慧講師(理学療法学科、神経生理Lab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌『Journal of Clinical Neuroscience』に掲載されました!!

研究内容の概要:

ヒトは手指で物体に触れることで,その形状や固さなどを識別することができます.さらに,手指で触れた物体の形状などを識別する能力はトレーニングによって高めることが可能です.我々はこれまで,触覚刺激を繰り返し与えることで手指の触覚機能が向上することを明らかにしてきました.本研究では,溝の刻み込まれたブロックの方位(縦or横)を識別するトレーニング課題を繰り返し実施することによって手指の触覚機能を向上できるかどうかを検証しました.本研究の結果,トレーニング課題を200回もしくは400回実施することで手指の触覚機能が向上し,その効果はトレーニング後24時間を経過しても持続していることが明らかになりました.

酒井さんからのコメント:

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本研究は,手指に与えた刺激ブロックの溝の方位を識別するトレーニングが手指の触覚機能に効果をもたらすことを明らかにした報告となります.この結果は,触覚機能が運動学習のようにトレーニングによって学習によって向上することを示唆しており,触覚機能にアプローチできるリハビリテーション手法となる可能性を秘めています.

研究成果のポイント:

1.右利き健常成人に対して,右手指で刺激ブロックの溝の方位(縦or横)を識別するトレーニング課題を実施しました.トレーニング回数は200回,400回または0回(安静状態)のいずれかとしました.

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2.トレーニング回数が200回,400回のいずれにおいても,右手指の触覚機能は向上し,その効果はトレーニング後24時間まで持続しました.

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原著論文情報
  

Sakai S, Saito K, Kojima S, Otsuru N, Onishi H. Grating orientation task trials numbers for short- and long-term tactile discrimination learning. Journal of Clinical Neuroscience. 2021; 93; 195-199