★ 振動付きフォームローラーはゴロゴロしなくても筋肉を柔らかくすることが可能!?(2021.09.22)

中村雅俊先生(理学療法学科,応用理学療法Lab,運動機能医科学研究所)と佐藤成さん(松村総合病院,理学療法学科15期生,博士後期課程1年,応用理学療法Lab,運動機能医科学研究所),清野涼介さん(伊藤超短波株式会社,理学療法学科15期生,修士課程修了,応用理学療法Lab)と吉田麗玖さん(理学療法学科17期生,修士課程1年,応用理学療法Lab,運動機能医科学研究所)が行った研究論文が,国際誌『Frontiers in Physiology』に採択されました!!

研究の概要:

 今回の研究では,最近,中村研究室が着目していた振動付きのフォームローラー(vibration Foam roller)に関する研究の最新の研究です.前回の研究では振動をしないフォームローラーでは筋肉は柔らかくなりませんが,振動をすることで柔らかくなるということを示しました.しかしながら実際に振動をしている状況でローリング(ゴロゴロ)と転がすのは難しく,高齢者や患者さんではリスクが伴います.そのため,ゴロゴロと転がさず筋肉(筋腹)や筋肉と腱の境目(筋腱移行部)で振動したフォームローラーを圧迫する効果を比較しました.その結果,筋腹部分に圧迫することで筋肉を柔らかくすることは出来ますが,筋肉と腱の境目では筋肉を柔らかくする効果はないことがわかりました.そのため,高齢者や低体力者で行う場合,ゴロゴロとローリングせずに筋肉の部分に振動をする部分を圧迫することが推奨できることが示されました.今後は高齢者や患者さんでの研究を勧めていきたいと思います.

中村先生からのコメント

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振動付きのフォームローラーの効果についてはこれからどんどん明らかになってくる分野だと思います.今回は,振動付きのフォームローラーの効果について,一般的に行われるゴロゴロとするものと筋肉や筋肉とアキレス腱の境目の部分に圧迫するものを比較しました.その効果としては,筋肉の柔らかさを変化させるにはゴロゴロとするのが良いのはわかっていましたが,筋肉部分に圧迫するだけでも十分であることを明らかにしました.

今後は様々な患者さんや高齢者,筋肉を柔らかくしたい人たちでの検討を行っていければと思います.

研究成果のポイント:

① 振動付きフォームローラーの介入効果を検討した点

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