★ 振動するフォームローラーは筋肉の柔軟性を増加させるのに有効!!(2021.07.16)

中村雅俊先生(理学療法学科,応用理学療法Lab,運動機能医科学研究所)と佐藤成さん(松村総合病院,理学療法学科15期生,博士後期課程1年,応用理学療法Lab,運動機能医科学研究所),清野涼介さん(伊藤超短波株式会社,理学療法学科15期生,修士課程修了,応用理学療法Lab)と吉田麗玖さん(理学療法学科17期生,修士課程1年,応用理学療法Lab,運動機能医科学研究所)が行った研究論文が,国際誌『Journal of Strength and Conditioning Research』に採択されました!!

研究の概要:

 今回の研究では,最近,中村研究室で行っているフォームローラーに関する研究の最新の研究です.通常のフォームローラーとは筒状のローラーの上に体を載せて,ゴロゴロと行うセルフケアグッズでありますが,最近はに振動(vibration)することが出来るものも使用されています.そのため,通常のフォームローリングに振動療法を同時にできるという優れものですが,その効果については十分,わかっておりませんでした.今回は,この振動ルキノフォームローラーの効果を検証した結果,通常のフォームローラーと関節の柔軟性の増加割合については同程度でありましたが,筋の柔軟性の改善については振動付きフォームローラーが有効であることを示しました.これまで筋の柔軟性を増加させることが出来るセルフケアとしてはスタティックストレッチングがありましたが,その反面,筋力やジャンプなどのパフォーマンスが下がってしまうことが指摘されていました.

 今回の振動するフォームローラーは筋力やジャンプなどのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことなく,関節や筋の柔軟性を増加させることが出来ましたので,今後,スポーツなどでのウォーミングアップやクールダウンなどで使用することが推奨されるのではないか?と考えております.

中村先生からのコメント:

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セルフケアグッズとして使用されることが増えてきたフォームロ-ラーに関する研究です.通常のローラーにぶるぶると震えることでさらに効果が増すのか?ということを検討してみました.今回の結果より,振動を加えることで通常のローラーよりも大きな柔軟性改善効果が期待できるので,スポーツやリハビリテーション現場での応用が期待できます.また,痛みに対する感じ方においても大きな効果をもたらすことがわかりましたので,今後は痛みのある筋肉(筋肉痛など)に対する振動付きフォームローラーの効果などを明らかに出来ればと思っています.

研究成果のポイント:

①:振動付きフォームローラーの効果を通常のフォームローラーと比較した点

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本研究で用いたローラーはスイッチを入れなければ通常のフォームローラーと同じように使用することが可能です.

しかし,本研究の結果,振動を行うことで効果が大きく出るので,ぜひ,振動をすることが可能なローラーであれば,振動した状態でローリングしてみてはいかがでしょうか?

 
  
原著論文情報
  

Nakamura M, Sato S, Kiyono R, Yoshida R, Yasaka K, Yahata K, Konrad A. Comparison between foam rolling with and without vibration on passive and active plantar flexor muscle properties. Journal of Strength and Conditioning Research. in press