【教員紹介】坂本航大先生のご紹介

2026年4月より理学療法学科の特任助教に着任しました坂本航大と申します.大阪府の養成校を卒業後,大学院修士課程を経て,兵庫県の整形外科クリニックでの勤務を経験し,その後本学の博士後期課程を修了して現在に至っております.これまでは足部・足関節の解剖学研究を中心に実施してまいりました.

研究紹介:

〇第一足根中足関節の解剖学的研究

外反母趾では,近位の第一中足骨から変形が生じており,その根元にあたる第一足根中足関節の不安定性が変形を増悪させることが知られています.しかし,その不安定性が生じる要因は十分に解明されていません.そこで,第一足根中足関節を構成する骨・靱帯・腱の形態と,関節軟骨変性の重症度(関節不安定性の代替指標)との関係を,遺体標本を用いて調査しました.

その結果,第一中足骨の底外側に突起のある足部や,底側部の靱帯の幅と厚みが大きい関節では,軟骨変性の重症度が低く,安定性が高い可能性が示唆されました.一方で,腱の付着形態は関節軟骨変性の重症度と関連しないことが分かりました.

 

〇腱周囲構造の解剖学的・生体力学的研究

アキレス腱付着部には滑液包が存在しており,腱と踵骨の間の衝撃吸収に寄与しています.アキレス腱付着部症では,この滑液包にも圧迫が加わるため,水腫が高頻度で併発することが知られています.本研究では,遺体標本の滑液包に人工的に水腫を発生させ,腱に加わる負荷が増大するかを調査しました.結果,軽度の水腫では腱に変化はありませんでしたが,水腫が重度の場合,腱に加わる圧縮負荷が増大することが示されました.

 
  
原著論文情報
  

1) Relationship between insertions of the tibialis anterior and peroneus longus and first tarsometatarsal joint degeneration. BMC Musculoskelet Disord. 2025;26(1):82. Published 2025 Jan 23. doi:10.1186/s12891-025-08319-2 2) Relationship between joint structure of the first tarsometatarsal joint and its degeneration. Sci Rep. 2024;14(1):13547. Published 2024 Jun 12. doi:10.1038/s41598-024-64064-x 3) Relationship between first tarsometatarsal ligament morphology and its continuity with the fibularis longus and first tarsometatarsal joint degeneration. Clin Anat. 2024;37(8):930-937. doi:10.1002/ca.24167