【大学院生の活躍】足関節骨折術後の足関節前方軟部組織の硬さは、前方インピンジメント(つまり感)と足関節背屈可動域制限に影響を与えないことを明らかにしました!(2023.03.14)

長南晴樹さん(大学院修士課程2年、スポーツ医科学Lab、運動機能医科学研究所、慶友整形外科クリニック勤務)と江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

研究の概要:
足関節果部骨折術後の合併症として、足関節前方インピンジメント症候群(前方のつまり感)やそれによる足関節背屈可動域の制限が問題とされています。この原因としては、足関節の前方に位置する軟部組織の肥厚や線維化が挙げられています。しかし、その詳細についてはこれまで十分に検討されていませんでした。そこで本研究では、超音波画像診断装置のShear wave elastography機能を用いて、足関節果部骨折術後患者20名(AO分類A、B)を対象に、足関節前方軟部組織の動態および硬さと足関節前方インピンジメント症候群との関係を調査しました。その結果、足関節骨折後の足関節の前方のつまり感や背屈可動域の制限と、前方軟部組織の動態や硬さとの間には関連性が認められませんでした。今後は、足関節の後方組織など、他の要因についても調査を進める予定です。
本研究は、国際誌「Scientific Reports」に掲載されました。

研究者からのコメント:
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本研究は、日々の臨床現場で患者さんを治療する中で感じた疑問点に対する取り組みでした。本研究結果をもとに、足関節前方インピンジメントに対するその他の影響(後方軟部組織など)を調査していきたいと考えております。今後も臨床現場から患者さんに還元できる取り組みを続け、発信していきたいと思います。

研究のポイント:
① 足関節前方の脂肪体の厚さの変化により動態を評価した点
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図 超音波画像(Bモード)
1:前脛骨筋腱、2:長母指屈筋腱、3:長趾伸筋腱、4:脛骨、5:距骨

② 剪断波エラストグラフィー機能を用いて脂肪体の硬さを計測した点
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図 超音波画像(Shear wave elastography)
1:前脛骨筋腱、2:長母指屈筋腱、3:長趾伸筋腱、4:脛骨、5:距骨

原著論文情報:
Osanami H, Akuzawa H, Sakamoto K, Yokota H, Hirabayashi R, Sekine C, Ishigaki T, Edama M. Validation of anterior ankle soft tissue dynamics and shear modulus for anterior ankle impingement syndrome after ankle fracture surgery. Sci Rep. 2024 Mar 11;14(1):5863. doi: 10.1038/s41598-024-56671-5.

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