【大学院生の活躍】丸山雄基さん(修士課程2年,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)と小島翔講師(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が,国際誌『BMC Neuroscience』に採択されました!(2024.02.26)

「刺激パターンの異なる機械的触圧覚刺激介入が触圧覚刺激の移動方向の識別機能に及ぼす影響」

研究概要:
指先への機械的触圧覚刺激介入は,安全で簡便に皮質活動や体性感覚機能を賦活する刺激方法として注目されています.これまでに,触圧覚刺激介入は,触圧覚刺激のパターンに依存して皮質興奮性を変調することが報告されていますが,その触圧覚刺激のパターンの違いが,体性感覚識別機能に及ぼす影響は不明でした.本研究では,刺激パターンの異なる触圧覚刺激介入が,触圧覚刺激の移動方向(縦または横)の識別機能に及ぼす影響を検証しました.本研究の結果,刺激が横に移動するパターンの触圧覚刺激介入後でのみ,介入後に識別機能が向上することが明らかになりました.本研究成果は,国際誌『BMC Neuroscience』に掲載予定です.

研究者からのコメント:
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本研究の結果より,刺激が横に移動するパターンの触圧覚刺激介入が,触圧覚刺激の移動方向の識別機能を向上させることが明らかになり,触圧覚刺激介入が体性感覚識別機能に及ぼす影響は触圧覚刺激のパターンに依存することが示唆されました.今後は,触圧覚刺激の臨床応用に向けて,介入前後の皮質活動を記録することで体性感覚機能が向上する詳細なメカニズムを明らかにする必要があると考えます.

本研究のポイント:
1. 本研究における触圧覚刺激を用いた介入条件は,A.刺激面内のすべてのピンが同時に突出と消失を繰り返す条件(全体刺激介入),B.4本のピンで構成されたピン列が左から右へ順に突出を繰り返す条件(横移動刺激介入),C.刺激装置に指を置くだけの非刺激条件(コントロール介入),の3条件としました.
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2. 刺激の移動方向の識別機能は,横移動刺激介入後に向上することが明らかになりました.
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論文情報:
Maruyama Y, Kojima S, Onishi H. Discrimination of the Moving Direction is Improved Depending on the Pattern of the Mechanical Tactile Stimulation Intervention. BMC Neurosci [in press].

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