【卒業生の活躍】渡邊貴博さん(理学療法学科17期生,大学院修了生,バイオメカニクスLab,森ノ宮医療大学附属大阪ベイクリニック)と高林知也講師(理学療法学科,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が,国際誌『Gait & Posture』に採択されました!

研究内容の概要:
足関節内反捻挫は,再発を繰り返すことが問題視されています.捻挫を繰り返すことで慢性足関節不安定症(CAI)に陥ると報告されています.一方で,捻挫を再発していないcoper(コーパー)が注目を集めており,coperの実態把握が捻挫を予防するための鍵となる可能性があります.足部・足関節の動的な安定性には,足部外在筋と内在筋が関与しています.そこで,本研究では,足部外在筋(長腓骨筋,前脛骨筋,腓腹筋内側頭)と足部内在筋(母趾外転筋)におけるランニング立脚期の筋活動を調査しました.その結果,CAIを有する人は,coperや捻挫をしていないcontrol群と比較して,母趾外転筋の活動が有意に増加していました.一方で,足部外在筋の筋活動は3群間で違いを認めませんでした.本研究成果は,国際誌『Gait & Posture』に掲載予定です.

研究者からのコメント:
画像1.jpg画像2.jpg
本研究により,CAIを有する人は母趾外転筋の活動が,Coper群やcontrol群と比較して有意に増加していましたが,足部外在筋の活動には有意差を認めませんでした.足関節捻挫を繰り返すことで,靭帯や関節包の損傷,神経筋の異常,筋損傷などの損傷により,足部・足関節の不安定性を生じると報告されています.CAI群は母趾外転筋の活動を高めることで,その不安定性に対応している可能性があります.今後はどのような運動療法が必要なのかを研究していきたいと考えています.

本研究成果のポイント:
1.CAI群とcoper群の母趾外転筋の筋活動の違いをを示した点.

2.CAI群はcoper群とcotrol群と比較して有意に母趾外転筋の活動が増加し,足部外在筋には違いを認めないことを明らかにした点.
画像3.jpg

原著論文情報:
Watanabe T, Takabayashi T, Kikumoto T, Kikuchi Y, Shunsuke Suzuki, Shiori Hiratsuka, Kubo M: Differences in abductor hallucis activity during running in individuals with chronic ankle instability and copers. 2023 [accepted].

下記のインスタのフォロー・いいね!・コメントよろしくお願いします!
理学療法学科公式Instagramはこちら
理学療法学科学生公式Instagramはこちら