【大学院生の活躍】菊地雄大さん(大学院生,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が,英文誌『Japanese Journal of Biomechanics in Sports and Exercise』に採択されました‼(2023.03.09)

研究内容の概要】
 サッカー選手に好発するJones骨折(第5中足骨疲労骨折)は,第5中足骨に力学的負荷が蓄積して発症します.Jones骨折発症に関与する要因は多岐に渡りますが,特に理学療法士の介入で改善が見込める身体的要因に着目した発症予防が重要です.しかし,身体的要因の1つである他動的な股関節内旋可動域制限は,Jones骨折と関連するメカニズムが不明であり,予防法が確立していません.そのため,本研究では股関節内旋可動域が第5中足骨への負荷指標である足圧中心の外側への偏位に関連するか,またどのような動作方法がJones骨折の発症予防に繋がるかを,サッカー競技特異的な動作であるクロスオーバーカッティングを用いて検証しました.その結果,他動的な股関節内旋可動域は足圧中心に関連せず,動作時の股関節内旋可動域が大きいほど,足圧中心がより外側へ偏位することが明らかとなりました.また,足部接地時の足角(足の向き)が大きいほど,動作時の股関節内旋可動域が小さくなることが明らかとなりました.本研究成果は,英文誌『Japanese Journal of Biomechanics in Sports and Exercise』に掲載予定です.

研究者からのコメント:
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 本研究では,足部接地時の足角の増大により,動作時の股関節内旋を減少させ,結果的に足圧中心を内側へ維持できることが示唆されました.そのため,クロスオーバーカッティングにおいて,足角の増大は第5中足骨への力学的負荷軽減に繋がり,Jones骨折予防に有用な動作方法である可能性があります.

本研究成果のポイント】
1.他動的股関節内旋可動域(他動的HIR)は,動作時における足圧中心の外側への偏位と関連しなかった点.

2.足部接地時の足角が大きいほど,動作時の股関節内旋可動域(動作時HIR)が小さく,足圧中心が内側へ維持された点.
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原著論文情報:
Kikuchi Y, Ito W, Takabayashi T, Kikumoto T, Watanabe T, Anthony L, Kubo M: Relationship between hip and foot kinematics with the center of pressure during crossover cutting. 2023 [accepted].

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