★ 笠原一希さん(理学療法学科18期生,修士課程1年,バイオメカニクスLab所属)らの研究が国際誌に掲載されました!!(2022.06.03)

笠原一希さん(理学療法学科18期生,修士課程1年,バイオメカニクスLab所属),吉田麗玖さん(理学療法学科17期生,修士課程2年,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所),村上優太さん(理学療法学科18期生,修士課程1年,バイオメカニクスLab所属)が行った研究論文が,国際誌『European Journal of Applied Physiology』に掲載されました!!

研究の概要:
これまでの研究で,フォームローラーを使用することで関節の動く範囲である関節可動域が増加することがわかっています.また,最近はこのフォームローラーに振動機能を搭載されたものあり,振動しないフォームローラーと振動するフォームローラーで,得られる効果が異なる可能性が報告されています.これまで我々の研究室では振動のないフォームローラーを使うことで関節可動域が増加することを明らかにしましたが(Kiyono et al., JSCR. 2020),振動付きのフォームローラーの効果は不明でした.また,面白い効果として,片側だけのフォームローラーの介入により介入をした側だけではなく,反対側の介入を行っていない側も関節可動域が増加することも明らかになっています(Nakamura et al., Front Physiol. 2021).そこで今回は,振動しないフォームローラーと振動するフォームローラーを6週間という長期間行うことで,得られる効果に差があるのか?と,介入を行っていない側への波及効果(Cross-education effect)が異なるのか?ということを明らかにする研究を行いました.その結果,振動の有無にかかわらず長期間フォームローラーを使用しても筋力を減少させることなく,関節可動域を増加させることができることが分かりました.また,非介入側の効果も同等に関節可動域が増加することが明らかとなりました.この結果から,常に柔軟性を維持する必要があるアスリート選手だけでなく,関節可動域が低下しやすい入院患者様に応用できるように今後も検討していきたいと思います.

笠原さんからのコメント:
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フォームローラーによる効果はまだまだ不明なことが多いです.また,振動するフォームローラーは痛みを伴ってしまうことがあります.今回の研究結果から,長期間の介入において,振動は必ずしも必要ないことがわかりました.フォームローラーはアスリート選手が主に使用していますが,近年では臨床現場でも注目されてきているため,今回の研究結果を応用して多くの方にフォームローラーを使用していただけたら嬉しいです.

本研究のポイント:
1.振動しないフォームローラーと振動するフォームローラーの効果を比較した点
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2.6週間という長期間実施した点
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3.非介入側への波及効果を明らかにした点
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介入側の効果を検討した(A)とCross-education effectを検討した(B)結果,振動のないフォームローラー(FR intervention group)と振動付きのフォームローラー(VFR intervention group)のどちらも同じ程度,関節可動域が増加することを明らかに.

論文情報:
Comparison between 6-week of foam rolling intervention program with and without vibration on rolling and non-rolling sides
Kasahara K, Konrad A, Yoshida R, Murakami Y, Sato S, Aizawa K, Koizumi R, Thomas E, Nakamura M.
Eur J Appl Physiol.