【Topics&News】徳永先生のご紹介(2023.07.31)

 昨年度より理学療法学科所属となりました徳永亮太と申します.理学療法学科を含めた様々な学科の生理学や実習を担当しています。病態生理Labに所属しており、痛みが慢性化する機構を脳内神経回路の変化に着目して研究しています。
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 慢性疼痛とは本来治癒に必要と考えられる期間を超えても持続している難治性の疼痛です。長期の痛みは生活の質の低下を招き,リハビリにおいても介入に難渋するケースが多いことが知られています。WHOの国際疾病分類では、線維筋痛症や非特異的腰痛症などのように、明白な組織損傷や炎症がないにも関わらず痛みの訴えが続く病態が「一次性慢性痛(primary chronic pain)」として記載され、また、国際疼痛学会により、疼痛の新しい神経生理学的メカニズムとして、「痛覚変調性疼痛」という侵害受容器(痛みの受容器)を異常に興奮させるような組織へのダメージ、神経伝導路の異常がないにもかかわらず、脳の中のさまざまな変化によって痛みが生み出されるという考えが記載されました。

研究紹介:
私の研究では、脳の中でも特に不快情動と関連が強く、侵害情報の処理にかかわっている扁桃体いう脳部位で起こる神経活動や神経細胞の可塑的な変化を、細胞外電位記録法やスライスパッチクランプ法、行動解析などを用いて研究しています。
慢性腰背部炎症を引き起こした動物では、ダメージがある部位とは離れた部位への刺激に対しても扁桃体の神経活動反応が変化することを明らかにしました。さらに扁桃体のある神経細胞のみに人工受容体(hM4D)を発現させ(左図)、その人工受容体のみに作用する薬剤を投与し活動を抑制することで、慢性痛モデルの痛覚過敏が軽減することを示しました(右図)。
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このような痛みを増悪させる神経可塑的な変化の抑制を応用することにより、慢性疼痛の治療に役立てる研究を目指しています。

原著論文:
Tokunaga R, Takahashi Y, Touj S, Hotta H, Leblond H, Kato F, Piché M. Attenuation of widespread hypersensitivity to noxious mechanical stimuli by inhibition of GABAergic neurons of the right amygdala in a rat model of chronic back pain. Eur J Pain. 2022 Apr;26(4):911-928.

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