【在学生の活躍】小島将さん(嬉泉病院,理学療法学科14期生,博士後期課程3年)と椿淳裕教授(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌「Frontiers in Physiology」に受理されました‼(2022.07.22)

小島将さん(嬉泉病院,理学療法学科14期生,博士後期課程3年)と椿淳裕教授(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌「Frontiers in Physiology」に受理されました!!

研究概要:
前頭前野の脳酸素化ヘモグロビン(O2Hb),総ヘモグロビン(THb)は,運動負荷増加とともに徐々に増加することが報告されています.しかし,これまでに漸増負荷運動中に前頭前野以外の脳領域と呼吸代謝と関連付けて評価した研究はありませんでした.本研究では,左右の前頭前野と運動関連領域(補足運動野,一次運動野)を評価しました.その結果,前頭前野は無酸素性作業閾値(AT)と呼ばれる有酸素性から無酸素性のエネルギー代謝が加わる点からO2Hb,THbが有意に増加し,運動関連領域よりも早く変化することがわかりました.また,左よりも右の前頭前野でより変化が早いことが明らかとなりました.

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図:運動強度増加に伴う各脳領域の脳酸素化動態の変化

小島先生からのコメント:
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前頭前野の神経活動は,持久性運動の継続を調整する中核を担う領域と報告されていますが,そのメカニズムは完全に明らかとなっていません.本研究は,メカニズム解明の一助となると考えられます.今後も,運動に伴う脳酸素化動態の変化に着目した運動処方を検討していきたいと思います.

原著論文情報:
Sho Kojima, Shinichiro Morishita, Kazuki Hotta, Weixiang Qin, Naoto Usui and Atsuhiro Tsubaki. Temporal changes in cortical oxygenation in the motor-related area and bilateral prefrontal cortex based on exercise intensity and respiratory metabolism during incremental exercise in male subjects: a near-infrared spectroscopy study. Frontiers in Physiology (in press).