★おぐま整形外科クリニックに勤務する稲井卓真さん(理学療法学科9期生,久保ゼミ)の研究論文が学会誌に掲載決定!(2016.10.12)

おぐま整形外科クリニックに勤務する稲井卓真さん(理学療法学科9期生,久保ゼミ)の研究論文が,学会誌「体力科学」へ掲載されることになりました.

以下に研究概要を記載いたします.

 

著者:稲井卓真,江玉睦明,高林知也,久保雅義

タイトル:下肢関節の屈曲拘縮が立位姿勢の関節角度と関節モーメントに及ぼす影響:力学シミュレーション研究

 

【要旨】

本研究の目的は,股・膝・足関節の屈曲拘縮が立位姿勢の関節角度と関節モーメントに及ぼす影響を力学シミュレーションで明らかにすることである.2次元のセグメントモデル(体幹・大腿部・下腿部・足部)を作成し,股・膝・足関節角度が異なる様々な立位姿勢を生成した(743通り).股・膝・足関節のスティフネスを操作することで屈曲拘縮を再現し,筋の興奮度の和が最小となる最適な立位姿勢を取得した.立位姿勢での股関節の屈曲拘縮が強くなることで,股・膝関節の屈曲角度が増加し,股・膝関節の伸展モーメントも同様に増加した.立位姿勢での膝関節の屈曲拘縮が強くなることで,股・膝関節の屈曲角度と足関節の背屈角度が増加し,膝関節の伸展モーメントが増加した.立位姿勢での足関節の底屈拘縮が強くなることで,股関節の屈曲角度と足関節の底屈角度が増加し,膝関節は伸展し,股関節の伸展モーメントと膝関節の屈曲モーメントも同様に増加した.本研究の知見は,理学療法を通して,正常から逸脱した立位姿勢を改善するために役立つ可能性がある.