第24回日本基礎理学療法学会学術大会参加報告(2019.12.03)

11月30日,12月1日に朱鷺メッセで第24回日本基礎理学療法学会学術大会が開催されました.本学会は,理学療法士学術大会の1つで理学療法の基礎研究を中心とした学会となっております.本学会は,大西秀明先生を大会長とし,多くの新潟医療福祉大学の先生方,大学院生,学部生が主催で開催しました.初めての学会の雰囲気を感じることができ,非常に良い機会を得られたかと思います.また,本学会には日本全国より多くの研究者が集まり,熱い議論が交わされました.本学会では多くの学生も卒業研究の内容を発表し,緊張しながらもしっかりとした発表を行い,非常に高い評価を得ることができました.今後も継続して,研究を続けてもらうことを期待しています!!

大会長基調講演

大西秀明先生(神経生理Lab):理学療法によるニューロモデュレーションの可能性

シンポジウム

椿 淳裕先生(運動生理Lab):粗大運動時の大脳皮質酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの変動

大鶴直史先生(神経生理Lab):内受容感覚と情動と痛み

犬飼康人先生(神経生理Lab):前庭器官への電流刺激がバランス機能に与える影響

堀田一樹先生(運動生理Lab):骨格筋における微小循環の調節機序

長坂和明先生(神経生理Lab):病的疼痛に関与する脳活動の変化 ―非ヒト霊長類モデルを用いた研究―

宮口翔太先生(神経生理Lab):経頭蓋交流電流刺激が運動パフォーマンスに与える影響

高林知也先生(バイオメカニクスLab):ランニング中に生じる足部内のバイオメカニクス

ランチョンセミナー

平林 怜先生(スポーツ医科学Lab):足底屈背屈実験装置を用いた反復他動運動が脊髄相反性抑制に与える効果

口述発表およびポスター発表

神経生理Lab

齊藤 慧先生:一次体性感覚野への経頭蓋交流電流刺激が触覚方位弁別能力にもたらす効果と脳律動の関係

小島 翔先生:条件刺激の刺激位置の違いがpaired pulse depressionに及ぼす影響

横田 裕丈先生:左後頭頂皮質に対するα帯域経頭蓋交流電流刺激が二点識別能に与える影響

長坂 和明先生:脳卒中後疼痛モデル動物に対する運動野への刺激が疼痛様行動に及ぼす影響 サルモデルとラットモデルを用いた検証

星 春輝さん:経頭蓋ランダムノイズ刺激の刺激タイミングが皮質脊髄路の興奮性および運動機能に及ぼす影響

木村 優太さん:一定時間の他動運動が運動後抑制に与える影響−効果持続時間と反復効果の検討−

渡邉 拓さん:能動的・受動的触覚刺激による介入が感覚機能に及ぼす影響

五十嵐眸美さん:内受容感覚と心理特性の関連性について

菅原 亜美さん:提示信号の異なるGo/NoGo課題練習が練習効果に及ぼす影響

木下 栞さん:心臓からの内受容感覚による連合性対刺激法が皮質脊髄路興奮性に与える影響

服部 涼平さん:一側下肢での反応課題のトレーニングが反応時間及び皮質脊髄路興奮性に及ぼす影響

福富 尚輝さん:前庭器官への交流電流刺激が立位重心動揺に与える影響

小林 奈槻さん:前庭ノイズ電流刺激が片脚立位重心動揺に与える影響の検証

斎藤 美樹さん:反復的な前庭ノイズ電流刺激が立位重心動揺に与える影響

安藤 希さん:末梢神経電気刺激が体性感覚機能に及ぼす影響

松本 侑也さん:M 1 および小脳への経頭蓋交流電流刺激中の運動練習が運動学習効率および学習保持に与える影響

宮下 真衣さん:下肢一次運動野領域への経頭蓋交流電流刺激が運動パフォーマンスに与える効果

増野 成太さん:一次運動野と運動前野への経頭蓋ランダムノイズ刺激が運動学習に及ぼす影響

酒井 彩希さん:感覚トレーニングの試行回数が触覚方位弁別覚にもたらす影響

石塚 優平さん:内受容感覚入力が痛み知覚に及ぼす影響

田辺 萌さん:ガルバニック前庭刺激が触覚方位弁別能力に及ぼす影響

運動生理Lab

小島 将さん:心肺運動負荷試験中の脳酸素化応答と運動耐容能の関連

秦 偉翔さん:10分間中強度運動が異なるワーキングメモリ課題成績の被験者に対する影響

佐藤 大地さん:背臥位の自転車ペダリング運動は健常成人男性の大脳皮質運動関連領野の酸素化を引き起こす

石井 佑典さん:片脚ペダリング運動による運動中の脳酸素化動態と運動後の遂行機能への影響

金井 梨里さん:上肢動的運動の換気応答は筋代謝受容器反射に制御されている

橋本 和哉さん:漸増運動負荷試験中の脳酸素化動態:上肢クランク運動と下肢ペダリング運動の比較

伊藤 有紀さん:自転車エルゴメーター駆動時の姿勢の違いは心肺運動負荷試験で得られる換気効率に影響しない

スポーツ医科学Lab

江玉 睦明先生:前距腓靭帯,踵腓靭帯,後距腓靭帯の解剖学的関係性

平林 怜先生:反復他動運動は脊髄相反性抑制を増強させる

金子 史弥さん:第5 中足骨近位部に付着する組織の解剖学的特徴~付着領域・付着面積の検討~

池津 真大さん:肘尺側側副靭帯および屈曲回内筋群共同腱のType分類

バイオメカニクスLab:

高林 知也先生:正常足と扁平足の足部アライメントの違いがランニング中の膝蓋大腿関節ストレスに与える影響

徳永 由太さん:体幹前傾姿勢では少ない筋力で大きな前後方向COM加速度を得ることができる

稲井 卓真さん:対側杖の使用が立脚期の股関節間力インパルスに与える影響

渡部 貴也さん:慢性足関節不安定症の有無が片脚着地からの切り返し動作時の足部機能に及ぼす影響

Pain Lab

田口 徹先生:線維筋痛症モデルラットの脊髄後角ニューロンの興奮性増大に対する抗うつ薬アミトリプチリンの抑制効果

太田 大樹先生:ラットおよびマウス遅発性筋痛モデルの機械痛覚過敏におけるTRPA1の関与

江尻 侑斗さん:c-Fosタンパクの発現を指標にした線維筋痛症の脊髄機構解明

亀谷 伊織さん:複合持続ストレスにより生じる痛みの脊髄機構

神経・筋・骨組織Lab

玉越 敬悟先生:脳出血モデルラットにおける超早期リハビリテーションは炎症促進因子の発現を促進し,運動機能回復を遅延させる

高橋 侑里さん:脳梗塞後および脳出血後の運動介入による運動機能改善効果および神経細胞死抑制効果の比較検証

滝 聖矢さん:肥満型2 型糖尿病モデルラットの糖尿病性腎症に対する長期運動介入効果

応用理学療法Lab

中村雅俊先生:関節可動域,stretch toleranceに破局的思考は影響するか?

佐藤 成さん:6 週間のスタティックストレッチングが筋力と筋量に及ぼす影響―異なる頻度,伸張時間を用いた検討―

清野 涼介さん:表在寒冷刺激による筋硬度増加に脊髄興奮性は関与しない −脊髄興奮性,筋温の経時的変化の比較−

平泉 翔さん:異なる頻度,持続時間におけるSS介入がROMと腓腹筋スティフネスにもたらす効果の検討

稲葉 和貴さん:レッグプレス運動における開始肢位の膝関節角度の違いが筋活動に及ぼす影響

蒲澤 拓真さん:下腿三頭筋に対する低負荷Eccentric Contraction exercise介入による影響の検討

石川 達郎さん:ホットパックにおける関節可動域,筋硬度,筋温度の経時的変化

須藤 重樹さん:低負荷レジスタンストレーニングのトレーニング強度の推定―筋電図を用いた検討―

二木 星南さん:伸張性肘屈曲筋群の1 RMの推定方法の検討

八幡 薫さん:遅発性筋痛を生じた筋に対するストレッチングの急性効果 HRSとmodified PNFの比較

学会の様子に関しては少しだけ写真で紹介いたします.

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大西先生による大会長挨拶と大会長基調講演

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高林先生(左)と犬飼先生(右)の講演の様子です

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大学院生・学部生とも非常に多くの学生が発表を行いました.

色々と研究についてのアドバイスなどをもらえたかと思います.