M1へのランダムノイズ刺激により皮質興奮性が増大し運動パフォーマンスが高まる!(2019.04.25)

理学療法学科14期生の阿部貴文くんが卒業研究で行った研究内容が,国際誌『Neuroscience letters』に採択されました!

阿部君は,本大学在学中に大西秀明教授のもとで「経頭蓋ランダムノイズ刺激によって運動パフォーマンスは向上するのか」について研究を進めてきました.現在は,本学大学院(急性期理学療法コース)に進学し,神戸市立医療センター中央市民病院に勤務しております.今回掲載された論文の内容は,阿部君が卒業研究で行った研究内容をまとめたものとなっております.

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研究内容の概要:

近年,非侵襲的脳刺激法をもちいて皮質興奮性を高めることで運動パフォーマンスが向上することが多くの先行研究によって報告されています.しかしこれまでの刺激方法は効果にバラつきがあり,安定した効果が得られないことが問題視されてきました.そんな中,新たな刺激法として「経頭蓋ランダムノイズ刺激」が注目され始めました.経頭蓋ランダムノイズ刺激は,これまでの刺激方法よりも安定して皮質の興奮性を高めることができます.しかしその効果が運動パフォーマンスにも有効であるかどうかは不明でした.本研究は,経頭蓋ランダムノイズ刺激によって,皮質興奮性だけでなく,運動パフォーマンスも向上させることを新たに証明したものとなります.

本研究成果は、国際誌『Neuroscience letters』に掲載予定です.

本研究成果のポイント:

① 一次運動野に対して経頭蓋ランダムノイズ刺激を介入することによって皮質脊髄路の興奮性が高まることが明らかになりました(図1).

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② 同様に,一次運動野に対して経頭蓋ランダムノイズ刺激を介入することによって,示指による視覚追従課題の運動パフォーマンスが向上(エラーが減少)することが明らかになりました(図2).

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原著論文情報
  

Takafumi Abe, Shota Miyaguchi, Naofumi Otsuru, Hideaki Onishi. The effect of transcranial random noise stimulation on corticospinal excitability and motor performance. Neuroscience letters (2019).