〇堀田一樹先生が新しく理学療法学科(運動生理Lab所属)に着任いたしました!!(2018.09.05)

2018年9月1日より新しい先生が理学療法学科に着任いたしました!!

堀田一樹先生は,心臓リハビリテーション分野のスペシャリストで,理学療法をはじめとした運動療法が心臓,特に小さな血管(微小血管)に及ぼす影響は?ということをテーマに数多くの画期的な研究を行ってきた先生です.理学療法学科は経験豊かで個性的な総勢35名の教員陣が熱心に教育を行っております.

堀田先生からがどのような研究をしてきたの?ということとメッセージ,経歴について少しだけ紹介します.

堀田先生の研究紹介

 堀田先生は,2013年に北里大学大学院で博士課程(医学)を修了した後、米国フロリダ州立大学医学部にポスドクとして留学していました。帰国後は、電気通信大学でポスドクを継続し、独立した研究者を目指していました。

 堀田先生の研究テーマは、微小血管の研究です。微小血管の障害は視覚、認知、運動機能障害の原因となるため、“小さな”血管の障害は“大きな”問題なのです。堀田先生が大学院在籍時に、人生を変える論文と出会いました。ラットの骨格筋から生体外に取り出された微小血管を顕微鏡で観察することで、血管機能を評価する研究でした。これまで確実な治療法のなかった微小血管障害ですが、動物実験の結果から運動療法の有効性が示された画期的な内容でした。この論文の筆頭著者に勇気を出して手紙を書いたことがきっかけで、渡米する機会を得たようです。元々英語が得意ではなく、海外の研究者との繋がりがあったわけでもなく、言葉や文化の壁に苦労はし、試行錯誤しながら研究を続けてきました。留学先では、心筋(Hotta, et al. J Physiol 2017)および骨格筋(Hotta, et al. J Physiol 2018)の微小循環制御に関わる研究を行ってきました。

 米国で研究を進めるなかで、本来の血管形態・機能をみるには、血管を取り出さずに生体内での観察が必要と感、堀田先生は次世代顕微鏡である2光子レーザー走査型顕微鏡を用い、“生きたまま”の血管の機能や血流を三次元で観察する手法を確立しました(Hotta, et al. J Appl Physiol 2018)。今後は、この手法を用い、生体内の骨格筋微小循環の調節機構を明らかにしようとしています。

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堀田先生から学生の皆さんへのコメント

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 「楽しい」と思えることが,何かを学ぶうえで最も重要と考えています.楽しければそれに向けて何時間でも打ち込める,それが大学時代でしょう.しかしながら,本当に楽しいことを見つけるのは,言葉では簡単でも実際は難しいことかもしれません.勉強だけでなく様々な方向にアンテナを張って,自分にフィットする何かを見つけてほしいと思います.誰かが定めた道ではなく自らが選んだ道こそが,将来自分の糧になります.私は理学療法やサイエンスの面白さを,学生の皆さんと共有し,そこから先に自らの楽しいことを見つけてもらえれば嬉しいです.時には自分が思う実力より2個も3個も高い目標を目指して下さい.チャレンジの失敗が許されるのが大学生です.ぜひ一緒に楽しいことを見つけましょう.

堀田先生の略歴について

学歴:

平成19年 北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 卒業

平成21年 北里大学大学院医療系研究科機能回復学 修了(修士号,機能回復学)

平成24年 University of Florida College of Medicine,米国(Judy Delp’s Lab, 訪問研究員)

平成25年 北里大学大学院医療系研究科循環器内科学 修了(博士号,医学)

ポスドク:

平成26年~28年 Florida State University College of Medicine,米国(Judy Delp’s Lab)

平成27年~28年 Tallahassee Memorial Healthcare,米国(Research Coordinator, Cardiology)

平成28年~30年 電気通信大学大学院情報理工学研究科(狩野豊研究室)

平成30年9月~現在 新潟医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科

職歴:

平成19年~25年 北里大学病院心臓リハビリテーション室

平成25年~26年 東北大学病院リハビリテーション部