〇海外で活躍する新潟医療福祉大学の先輩達(2108.08.14)

新潟医療福祉大学の特徴として,国際交流が盛んにおこなわれております.

本学では,国際的な視野を身につけるための多様な国際交流活動を実施しています.また様々な海外研修プログラムを通りて,保健・医療・福祉・スポーツ分野における豊かな感性と幅広い視野を身につけられるよう積極的に国際交流を推進しています.その中で,実際に海外で活躍している本学の卒業生について少し紹介させていただきます.世界で活躍したいと思っている高校生も,海外は…と思っている高校生も,是非,先輩方の活躍する姿を見て,海外で理学療法士として働くことについて知ってみませんか?

まずは,本学5期生の中川真紀子先生の活動について紹介いたします.中川先生は,青年海外協力隊として平成27年10月から二年間,キルギス共和国という国で小児のリハビリテーションについて従事しておりました.

まずは中川先生からの海外での活動について紹介します.

◎「得たもの・失ったもの」など活動についての主観的情報

 キルギスに来て失ったものは体重です。キルギスの食べ物はパン・肉・ジャガイモ・パスタ・・・これを2年間食べ続けてしまうと人が変わってしまうと思い、食生活は気を付けています。また、移動が基本徒歩になるので健康的にダイエットが出来ています。女性の協力隊員は太る人がほとんどなので、私の自慢です。

 そして、得たものは柔軟性です。キルギスに来た当初は日本で当たり前だったことが当たり前でなく、イライラすることの毎日でした。しかし、キルギス人と生活を共にする中で、キルギス人の考え方や習慣を知っていき、キルギスの“当たり前”を受け入れられる様になりました。そうするとイライラは少なくなり、もっと知りたいと思えるようになってきました。支援の方法も日本で良いと思ったことがそのままキルギスの人たちにとってプラスになるかというとそうではなかったり、提案の仕方もキルギス人のタイミングがあったりと、今までの経験や感覚が全く通用しないことも多々あります。やはりそこで役に立ったのは柔軟性で、なんでキルギス人は受け入れてくれないのかと不平不満を思うのではなく、キルギス人はこんな感じだからこんな方が受け入れてくれるかなーと考えを柔軟に持つことで活動がスムーズに進むことがあります。

◎なぜ「海外で」ということになったのか、その経緯。
幼いころから海外への憧れがあり、海外で生活してみたいという気持ちは心の奥底に持ち続けていました。でも、実際には今までの生活を変えて海外に出るという勇気と決断はなく、だらだらと日々を過ごしていました。しかし、運良く職場に青年海外協力隊経験者の方が臨時職員として働くこととなり、海外での経験を聞くことが出来ました。私にとって協力隊経験者の方々の話す言葉の奥深さや、考え方の人並み外れたところが新鮮で、この人のようになりたいと強く憧れ、今まで、遠かった“海外”を近く感じることが出来ました。また、理学療法士として海外で働きたいと思い、青年海外協力隊に応募しました。

◎後輩の皆さんや高校生へのメッセージ

 現在、理学療法士として活動していますが、キルギスでは理学療法士などのリハビリの専門職はおらず、リハビリテーションとは何か?という事から紹介すること、実践の手助けをすることが主な活動になっています。新しいことを導入することに文化や習慣の壁はありますが、これからのキルギスを担ってく人たちと共に活動させていただき、私の方が逆にパワーをもらったり、日本では経験できないことを勉強させてもらっています。

 海外に出るということは、正直いろいろなものを犠牲にします。しかし、犠牲にしたもの以上に海外に出て得るものがたくさんあります。海外に出なければわからないことがたくさんありますし、日本で私を苦しめていたのもが私を助けてくれるものになり、価値観や考え方が変わるということを今現在、体験しています。きっと海外で得たものは自分の強みとなり、これからの自分を助けてくれると思っています。もし、少しでも海外での生活に興味があれば、一歩足を踏み出してみてください。海外での経験が良いものになるか悪いものになるかは自分の気持ち次第です。応援しています。頑張ってください。

以上,中川先生かのメッセージです.

海外で活動するにあたって重要なことや楽しさ,難しさについて丁寧に説明いていただきました.

あとは実際の活動について写真を少し紹介させていただきます.

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キルギスの様子です.キルギスでは羊と共に生活をします.

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ダウン症候群の子供に牛乳パックでの椅子の作り方を伝えました.でも、キルギスでは牛乳もヨーグルトもお家の牛から直接絞るので、牛乳パックを集めることも一苦労。

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配属先での授業の一コマ。手前の子供は脳性麻痺でいままで床に辛そうに座ったり、不安定な椅子に坐って授業をしていました。子どもように座位保持装置(のようなもの)を作ってもらい、斜面台もつけて今では授業しています。

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坐位保持装置を注文しているところ。左の男性がもとは家具職人さん。でもお子さんが脳性麻痺という事もあってひとりで障がいのある子どものための椅子作りを始めた。今では、キルギスの椅子作りの第一人者!!

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大好きな同期隊員。日本での研修も一緒に頑張りました。キルギスに来てからは任地が離れ、会うことも少ないですが、悩みを言えるのも喧嘩出来るのもこの同期達!!

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配属先でのクリスマス会。普段は配属先に通ってこないことも多いけど、お祭り好きなキルギス人はイベントには必ず来る!!毎日来てもらうために、毎日何かしらイベントを企画しようかと本気で考えたこともありました。

以上,中川先生からのメッセージと写真を紹介させていただきました.

理学療法士として,海外で活動することについて少しでも身近に感じれましたか?

少しでも興味がある人は,海外で活動されていた先生がいるオープンキャンパスに参加してみませんか?お待ちしております!!